小野寺 史宜/まち

以前に紹介した小野寺史宜さんの新書。

小野寺 史宜/縁(YUKARI)

2019年10月16日

本屋大賞第2位の「ひと」の続編とも言える
孤独で心優しい青年の物語。

この人の本は同じ土地をベースとしていることが多く、登場人物も度々重なります。
あっちで出ていた人がこっちで違う角度で出ている。
読んだことある人は少しだけ’にやり’とする感じで結構好き。

今回はライフの主人公「井川幹太」
縁の前半の主人公「室屋忠仁」が同じアパートにいる設定。

あの荒川の土手を挟んで向こう川のアパートに住んでいる「江藤瞬一」の物語。

ひとの主人公「柏木聖輔」が働いていた「田野倉さんのコロッケ」も出てきます。

主人公の瞬一は群馬県で生まれ、子供の頃に両親を火事で失くして祖父に育てられる。
祖父に高校を卒業したら東京に出なさいと言われ、大学に入るでもなく、就職するのでもなく、コンビニでアルバイトをして安アパートで暮らし、平凡な毎日を過ごす。
コンビニから引っ越し屋に変えたアルバイト先、アパートの人々との何気ない触れ合いが物語になっています。
刺激は少ないけど、なんだか先を読みたくなる不思議な本です。

小野寺史宜さんの作品が好きなら、間違いない内容でしょう。

内容(「BOOK」データベースより)

尾瀬ヶ原が広がる群馬県利根郡片品村で歩荷をしていた祖父に育てられた江藤瞬一。高校卒業とともに上京し、引越の日雇いバイトをしながら荒川沿いのアパートに住んで四年になる。かつて故郷で宿屋を営んでいた両親は小学三年生のときに火事で亡くなった。二人の死は、自分のせいではないかという思いがずっと消えずにいる。近頃は仕事終わりにバイト仲間と他愛のない話をしたり、お隣の母子に頼まれて虫退治をしたり、町の人々に馴染みつつあった。そんなある日、突然祖父が東京にやって来ると言い…。じいちゃんが、父が、母が、身をもって教えてくれたこと。


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