STORY
「ばあちゃん、どうしてみんな僕のこと変だって言うの?」
「人っていうのは、自分と違う人間が許せないもんなんだよ」
扁桃体(アーモンド)が人より小さく、怒りや恐怖を感じることができない十六歳の高校生、ユンジェ。
そんな彼は、十五歳の誕生日に、目の前で祖母と母が通り魔に襲われたときも、ただ黙ってその光景を見つめているだけだった。
母は、感情がわからない息子に「喜」「怒」「哀」「楽」「愛」「悪」「欲」を丸暗記させることで、なんとか”普通の子”に見えるようにと訓練してきた。
だが、母は事件によって植物状態になり、ユンジェはひとりぼっちになってしまう。
そんなとき現れたのが、もう一人の”怪物”、ゴニだった。激しい感情を持つその少年との出会いは、ユンジェの人生を大きく変えていく──。
怪物と呼ばれた少年が愛によって変わるまで。
感想
基本的に翻訳された小説は好きじゃないのですが、
本屋大賞1位に輝き、結構話題になっていたので気になって読んでみました。
アーモンド。
韓国のお話です。
アーモンドとは、扁桃体。
アーモンド形の神経細胞のことだそうです。
主人公のユンジュはこの扁桃体が小さい。
つまり、感情がない少年。
扁桃体が小さいとサイコパスになりやすいとも言われています。
ユンジュは目の前で祖母と母が通り魔に襲われた時も何が起きたか分からず、
怪物と呼ばれてその後の生活も淡々と母が残した古本屋と学校の間で過ごしていきます。
そこにユンジュとは逆の感情を抑えることが出来ない少年ゴニが現れ、少しづつ変わっていくという物語。
翻訳本の場合はどうしても変な解釈や言葉使いが入ってしまうことがあるのですが、
この本は自然で読みやすく、徐々に感情移入していきました。
大体3日間かけて読み、後半、話が急速に展開していく場面は一気読み。
今まで読んだ翻訳本の中ではとても面白かったです。
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